設備案内
八戸バイオマス発電所の設備
発電所レイアウト


設備概要

- ❶ 燃料生産(みちのくバイオエナジー株式会社)
主に林地未利用木材をチップ化する移動式チッパー
- ❷ 燃料受入設備
燃料である木質チップやPKSをホッパへ投入した後に貯蔵設備へ受入
- ❸ 燃料供給設備
受け入れた燃料をボイラに供給する設備
- ❹ ボイラ設備
燃料を燃やして得られる熱で水を温め高温・高圧の蒸気を発生
- ❺ タービン設備
ボイラで発生した蒸気を回転エネルギーに変える蒸気タービン
- ❻ 発電機
蒸気タービンの回転エネルギーで発電を行う発電機
主要諸元
営業運転開始 | 2018年 (平成30年) 4月 | |
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発電出力 | 12,400 kW | |
送電出力 | 10,800 kW | |
発電端効率 | 約 30 % | |
燃料設備 | 燃料受入能力 | 300 m3/h |
バンカ容量 | 木質バンカ1,600 m3 | |
PKSバンカ120 m3 | ||
燃料供給能力 | 100 m3/h | |
ボイラ | 形式 | 循環流動層自然循環単胴型 |
最大蒸発量 | 56.1 t/h | |
蒸気圧力 | 6.3 MPa (過熱器出口) | |
蒸気温度 | 483 ℃ (過熱器出口) |
蒸気タービン | 形式 | 衝動12 段落抽気復水形 |
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入口圧力 | 6.0 MPa | |
入口温度 | 480 ℃ | |
回転速度 | 6,804 rpm | |
出力 | 12,400 kW | |
発電機 | 形式 | 三相同期発電機 |
容量 | 13,778 kVA | |
電圧 | 6.6 kV | |
回転速度 | 1,500 rpm |
循環型事業のための環境配慮への取り組み
❶ クリーンな燃焼ガス
八戸バイオマス発電所では、バグフィルタと呼ばれる集塵装置により燃焼ガスに含まれる燃焼灰(フライアッシュ)を取り除いた後、排気筒より排出されます。このバグフィルタの働きにより、燃焼ガスはばいじんを含むことなくクリーンに排気されます。また、排気ガス内に含まれる大気汚染物質である窒素酸化物や硫黄酸化物は、それぞれ規制値を大きく下回っており、環境にやさしい設備となっています。
バグフィルタ
排気筒
❷ 燃焼灰の再利用
燃焼過程から排出された燃焼灰(ボトムアッシュ・フライアッシュ)は、八戸セメント株式会社によりセメント製造用原料の一部として焼成後、セメント製品となり、最終的にはコンクリート等として幅広く利用されます。燃焼灰などの廃棄物や副産物をセメント製造用の原料や熱エネルギーとして再利用することは、最終処分場の延命、天然資源使用量やエネルギー起源温室効果ガス発生量の削減につながります。
八戸セメント
セメント製品

❸ 林地未利用木材の利用(みちのくバイオエナジー)
八戸バイオマス発電所で使用するすべてのバイオマス燃料は、「みちのくバイオエナジー株式会社」により調達・生産されています。
みちのくバイオエナジ-は発電所に隣接する河原木事業地と、そこから20kmほど南に位置する南郷事業地の2つの生産拠点を有し、それぞれの生産拠点で一定期間原木を置き、乾燥させた後、移動式チッパーでチップ化して、発電所に納入しています。
みちのくバイオエナジーでは、枝葉や短尺材などの林地未利用木材の集荷推進と、バーク(木の皮)の燃料利用に取り組んでいます。
伐採直後の林地
残材集材後
通常、伐採した跡地には枝葉や短尺材が林地に放置されており、再び植林するときには、これら残材を掻き分ける「地ごしらえ」作業が必要となります。
みちのくバイオエナジーでは、従来、林地に放置されたままになっていた林地未利用木材を集材し、燃料チップの原料として有効活用しています。
林地未利用木材の活用は、植林に必要な「地ごしらえ」作業の負担が軽減し、伐採跡地の再造林の促進につながります。
伐採跡地に集積した残材
伐採跡地でのチップ化作業
❹ 輸入バイオマス燃料の利用について
八戸バイオマス発電所では、主に東南アジアで栽培されるアブラヤシの種子の殻の部分であるPKS(Palm Kernel Shell)を燃料の一部に使用しています。
PKS はアブラヤシの果肉よりパーム油を、種子からパーム核油を生産する過程で発生する農作物残さです。
パーム油は世界で最も生産されている植物油です。インドネシア・マレーシアの2 か国で世界のパーム油生産量の約85%が生産されており、世界中の国々が主に食用に輸入しています。
農作物の収穫に伴って生じるバイオマス燃料の持続可能性(合法性)の確保に関する取り組みについて